論文

基本情報

氏名 小田原 敏
氏名(カナ) オダワラ サトシ
氏名(英語) Odawara Satoshi
所属 社会学部 メディア社会学科
職名 教授

タイトル

メディア・テクノロジーの社会的装置化に関する試論

著者

小田原敏

担当区分

単著

誌名

『政経論叢』

出版社

明治大学政治経済研究所

第88巻

第3・4号

開始ページ

29

終了ページ

55

出版年月

2020/03

査読の有無

無し(査読無し)

招待の有無

無し(通常論文)

記述言語

日本語

掲載種別

研究論文(学術雑誌)

ISSN

 

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概要

人類にとって初めての電波を利用したラジオは、アメリカでは音楽を中心とした娯楽を主なコンテンツとして発達する。しかし、受信機が現代の貨幣価値にして2,000ドル前後であったことを考えれば、高価な未知の機械に多くの人びとがこのためだけに大枚をはたいたとは考えににくい。別な視点から見れば、ラジオは電波を使用し、全米ネットワークも形成されたため、聴取者は、その同時性や電波で結ばれた多くのアメリカの聴取者たちの存在を感じ、この積み重ねが結果としてはアメリカという国家観、アメリカ人という、それまでなかった想像上の共同体を共有するに至った。
 イギリスも、産業革命以降、社会は大衆化、大衆が主役となる民主主義に向けて大きく変化していたが、新聞まで発行停止されたゼネラル・ストライキ中、ラジオだけが情報源となった。イギリスでは大まかに上流階級、中産階級、そしてストの中心、労働者階級があり、それまでは横断的な情報流通もなかったが、はじめて音声を通じて党派色の薄い報道をおこなった。結果、階級を超えた全社会的な議論、意見披露の媒体として機能していった。
 こうして見ていくと、技術がその社会に選ばれ、全社会的な投資になっていくには、表向きの理由だけではなく、その社会や集団が潜在的に必要としていた社会的な機能を果たしてくれるのではないか、と人々に思わせるものがあったからではないか。

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